2022-12-08

営業マンに必須の営業リスト(アタックリスト)とは? 効果的なリストの作成と運用方法について解説

BtoB 営業・マーケティング コラム

改定:2022-12-08 | 初版:2020-01-06

売上や販売数を伸ばすためには高い営業マンの能力が必要であると感じている方も多いのではないでしょうか。確かに、質の高い営業を行うためには営業マンの資質も大変重要ではありますが、営業の生産性を高める仕組みも必要です。

「営業リスト」は、営業の質を属人的なものから、より組織的なものへと変える「仕組み」にあたります。この記事では、営業リストの重要性やメリットに立ち返り、使い勝手のより営業リストの作成方法や運用について考えてみます。適切な営業リストの活用でより効率的で質の高い営業活動へ繋がります。

営業リストとは

営業リストとは、営業先についての情報をリストアップしたツールです。会社名や住所、業種、部署、担当者名などを一覧にまとめ、営業先へのアプローチを効率化・体系化します。

営業リストの名称はさまざまです。アタックリストと呼ばれることもあれば、ターゲットリスト、訪問先リストという名称もあります。また、電話営業が主体のときは架電リスト、新規客をターゲットにするときは新規開拓リストと呼ばれることもあります。

名称は多様ですが、いずれも「営業成果の向上」という目的は変わりません。

電話営業や訪問営業、DM送付など、あらゆる営業アプローチを実施する場合に、営業リストは無くてはならないものです。

営業リストがないと、先々の活動方針が定まらないばかりでなく、これまでの営業活動を評価する手段も持てなくなります。

一定の基準でまとめられたリストに対し営業活動を実施するからこそ、営業施策を実施後に、活動内容の良し悪しや市場ニーズの有無に関する判断が可能となるためです。

「戦略商品の拡販に向けてAという市場にαという案内をする」といったミッションは営業・マーケティングで珍しくありません。

この場合、しっかりした営業リストがあってこそ「Aという市場」に案内することができ、その結果から「戦略商品」の提案先が「Aという市場」で良いのか、また提案内容が「αという案内」で良いのかを評価することが可能となります。

営業リストを作成する前に必要なこと

営業リストの情報収集や作成を行う前に、まず自社の営業手法を明確に、つまり適切な営業戦略を構築しておく必要があります。その理由として、闇雲に営業を行っても成果が出づらいこと、営業戦略によってリスト業者や情報取得ツールなどが異なることが挙げられます。

営業戦略を構築するには、次の手順に沿って進めていくことが一般的です。

  1. SWOT分析などで市場や競合など外部環境を調査
  2. 外部環境を踏まえたうえで、自社の課題(訪問回数や成約率など)を明確にする
  3. 他者と差別化できる要素(コアコンピタンス)を明確にする
  4. 1~3をもとに目標を立て営業戦略の構築
  5. 目標達成に繋がる細かい営業施策を考える

このように営業戦略および戦術を構築することで、具体的な営業手法も見えてきます。テレアポや飛び込み営業、DMのほか、コアコンピタンスによっては展示会やセミナーの開催、MA(マーケティングオートメーション)を導入したほうが成果が出る場合もあるでしょう。

あらかじめ戦略を立てておくと、営業リストの情報を集める目的も明確になり、精度も高まります。

営業リスト活用のメリット

営業リストの活用は、営業活動の精度を高め、顧客への計画的なアプローチを可能にします。

営業リストがないままに、各営業マンが独自に営業活動を行っている場合、営業の質や効率性は各営業マンの勘や経験、能力に依存し、各営業マンごとの成果に大きな差が生まれます。

これは営業手法の属人化につながり、成功事例は組織で共有化されなくなります。

営業リストを整備することで、各営業マンが実施した営業内容を理解する基準ができ、成功事例に含まれる「どうやったら上手くいったか」という要素の社内共有が容易になります。

また、リストを確認することで営業先の受注確度の高さや、顧客企業の業態・業種別の傾向などが一目で分かるため、組織的に営業活動を進める大きな力となります。

ターゲットリスト総合ページ

営業リストのための顧客情報の集め方

営業リストの作成に向けた情報収集は、旧来は、電話帳や業界名簿、四季報等を入手するか、展示会への参加やセミナーの開催などにより顧客情報を収集する程度しか手段がありませんでしたが、現在はデジタルを活用したより幅広い情報収集が可能となりました。

主な収集方法としては次のようなものがあげられます。

  • Web検索(コーポレートサイトなど)
  • 求人サイト、ハローワーク
  • タウンページ
  • SNSの公式アカウント
  • 展示会、セミナーの参加者情報
  • 新聞、雑誌、デジタルメディア
  • Web名簿サービス
  • 企業データベース(帝国データバンク、業界団体名簿など)

ただし、営業リスト情報の探し方が多様化したということは、同時に選択肢の判断が困難になったことも意味します。手軽そうに見えるWeb検索でも、それなりに多くの時間と手間がかかります。

そのため、それぞれの特徴をしっかりと理解し、営業戦略に合う情報の探し方を選択しなければなりません。リスト情報の探し方については、「営業・マーケティングで利用する企業リストの収集法13選」の記事で詳しくお伝えしています。ぜひ、こちらも参考にしてください。

営業リストの記載ルールを定める

営業リストを制作する際は、架電やDM発送など多目的で利用できるようにしておくと、後々の業務効率化が図れます。

リストの作成にあたっては、掲載項目について十分な検討をおこなうことと同様に、表記ルールを定めてブレのない記載を心掛けることが肝要です。

気をつけたい表記ルールは次の通りです。

  • 全角・半角
  • 企業名
  • スペース文字

全角・半角

リスト全体で英数字の全角・半角の使い方は統一すべきです。

例えとして、Excelで作成された営業リストに「JTB(半角)」と「JTB(全角)」の記載があった場合を考えてみます。

これらを「JTB(半角)」を用いて《検索》した場合は両方ともまとめてヒットしますが、同様に「JTB(半角)」を用いて《フィルター抽出》した場合は、「JTB(半角)」しか抽出されず「JTB(全角)」は隠れてしまいます。

企業名

企業名については会社によって通称と商号が異なる場合があり注意が必要です。

例えば、「コマツ」と「小松製作所」、「NEC」と「日本電気」、「JR東日本」と「東日本旅客鉄道」などが代表的です。

また、NTTグループは特に注意が必要です。「NTTファイナンス」は商号もこれですが、「NTTコムウェア」の商号は「エヌ・ティ・ティ・コムウェア」です。

表記の揺れは検索や抽出時に障害となるため、営業リストに記載する企業名は商号に統一するなどのルールを設ける方がよいでしょう。

スペース文字

企業名に空白文字(スペース)が入っている場合も要注意です。

第1に、入力する人によってスペースの有る無しがブレる可能性が高いです。

第2に、社名についてはWebの記載をコピーするとのルールを決めたとしても、Webの記載自体に揺れがある場合も見受けられます。

登記のルールでは、原則スペースは使えません。例外として「ローマ字を用いて複数の単語を表記する場合に限り、当該単語の間を区切るために空白(スペース)を用いることもできます(法務省)」となっています。

必ずしも登記のルールに沿う必要はありませんが、揺れのない表記のために何らかの対応が必要でしょう。

営業リストの表記ルールやデータの作り方については、「営業リスト作成ノウハウを公開(その2)利便性の高いデータはこう作る!」でより詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

営業リストを購入することで営業効率を促進

営業リストは、自社で一から情報を調べて作成する以外にも、販売会社から購入することも可能です。情報を調べるのは想像以上に時間がかかるため、費用対効果の観点から販売会社を利用するケースも珍しくありません。

営業リストを購入することで、主に次のようなメリットがあります。

  • 営業リストを作成(情報収集&リスト化)の作業時間を短縮できる
  • 自社で作るより精度が高い営業リストを構築できる
  • 営業リストを作成するスタッフの人的コストを削減できる

販売会社を利用すると、営業の生産性が飛躍的に高まる点が最大のメリットといえるでしょう。「リスト作成に膨大な時間をかけるのはもったいない」という方は、販売会社の公式サイトに掲載されているサンプルを見て検討してみることをおすすめします。

営業リストは作成しただけでは終わらない。アップデートしてこそ

しっかりとした営業リストを作成しても、企業情報は思いのほか移ろいやすいものです。

移転に始まり、社名変更や、統廃合、組織再編、M&Aなど本社情報が変更されるイベントは少なくありません。

多くの場合、営業リストを作成して2年以上過ぎるとデータの劣化が目立つようになります。

CRMやSFAだけでなく、営業リストにも営業やマーケティング活動の結果を反映することは、内容のアップデートができるだけでなく、何らかの施策を実施する際にも価値を発揮します。

定期的なアップデートは、同一企業を新たな社名と古い社名で重複して登録することを防げるなど、新しいリストを追加する場合も効率的に実施できます。

多少の手間はかかりますが、営業戦略やマーケティング方針に沿った形で実施する営業リストのメンテナンスは決して無駄にはなりません。営業リストを作成する際は、是非アップデートの手法についても検討してみてください。

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