2020-01-23

マーケティングと営業の違いとは? 連携するメリットや方法も解説

BtoB 営業・マーケティング コラム

マーケティングと営業は、ビジネスで収益を得る上で中核を担う存在です。しかしマーケティングと営業は、一見するとどのような違いがあるか分かりにくいです。

そこで今回の記事では、マーケティングと営業の違いを詳しく解説します。また、マーケティングと営業が連携するメリットや方法についても説明するので、こちらも参考にしてください。

マーケティングと営業それぞれの意味

まず初めに、ビジネスにおけるマーケティングと営業の意味合いについておさらいしましょう。

マーケティングの意味や役割

日本マーケティング協会によると、マーケティングとは「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動」を意味します。

定義の中にある「総合的活動」には、マーケティングリサーチ(市場調査など)や製品、価格、プロモーション、流通、顧客との関係などに関する活動が全て含まれます。

事業を成長させるには、市場の動向や顧客のニーズを踏まえて、価格や製品の概要(デザインや性能等)、プロモーション・流通の方法など、あらゆる事柄を決める必要があります。

たとえばただ単に高性能の商品を作っても、顧客の需要がないと売り上げは伸びません。また、需要のある新製品を開発するには、市場を徹底的にリサーチして、今後のニーズを予測する必要も出てきます。

マーケティング部門は、価格やプロモーションなどの要素を市場動向や顧客のニーズに適した形で決定し、売り上げの向上を実現する重要な部門なのです。

参考:日本マーケティング協会

営業の意味や役割

一方で営業とは、商品やサービスを販売する行為です。販売やセールスなどという用語も営業とほぼ同義です。

営業の役割を一言で表すならば、「売り上げの獲得」です。商品やサービスの魅力や性能などを消費者に訴求し、商品やサービスを購入してもらうことで売り上げを作ります。BtoBのビジネスならば、見込み客との契約を締結することが営業の重要な役割となります。

業種の特性によって営業のやり方は異なりますが、基本的には営業リストに載っている企業に電話やメールを送り、アポイントを獲得してから実際にあって商品やサービスの売り込みを行います。アポイントを獲得するまでは、なるべく多くの見込み客に対してアプローチをかけることが重要となります。一方でアポイントを獲得したら、いかにして見込み客を確実に案件化させるかが重要となります。

継続してアプローチする根気強さや、見込み客を案件化させるコミュニケーション能力など、個人的な能力が左右する部門であると言えます。

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マーケティングと営業の違い

マーケティングと営業には、主に下記2つの違いがあります。

活動領域の違い

マーケティングと営業の最大の違いは活動領域です。

前述した通りマーケティングでは、市場調査から顧客との関係構築まで幅広く活動を行います。また、商品の価格設定や顧客の行動分析など、高度なスキルやロジカルな思考力が求められる活動も行います。

つまりマーケティングは、商品やサービスがより多く売れるための仕組み作りを幅広く担います。直接顧客と関わっていくというよりは、裏方でビジネスを支える部門であると言えます。

一方で営業は、顧客と積極的に関わって商品やサービスを売り込みます。幅広い活動領域を持つマーケティング部門とは異なり、営業は「顧客に商品やサービスを購入してもらうこと」にのみ特化した活動です。

つまり営業部門は、マーケティング部門が考えた施策の実行役と言えます。どれほどマーケティング部門が顧客のニーズに合う商品コンセプトを考えても、それを販売する営業部門がいなければ収益は得られません。

マーケティング部門のアイデアを実行し、収益を直接生み出す存在として営業部門は企業にとって欠かせない存在です。

顧客との接し方の違い

マーケティングと営業部門には、顧客との接し方にも大きな違いがあります。

マーケティング部門は、顧客との長期的で良好な関係構築を重視する傾向があります。顧客と長期的な関係を構築することで、売れる仕組み作りのヒントとなるニーズを知ることができる上に、安定的な収益化につながるブランド力の向上にもつながるからです。

長期的な関係を重視するため、短期的には自社にとって利益とならない行動(市場調査やWebメディアの運営など)も積極的に行います。自社の売り上げというよりは、顧客側の目線に立って行動するのがマーケティング部門と言えます。

一方で営業部門は、売り上げの獲得を最重要視します。そのため、長期的な関係構築というよりは、目の前の顧客からいち早く売り上げを得ることを目的に活動します。

挨拶回りや会食など、関係構築を目指す活動もするものの、あくまで根底には売り上げを得るという目的がある上での行動です。顧客よりも自社の業績を重視している点が、マーケティング部門とは大きく異なります。

マーケティングと営業の連携

マーケティングと営業の役割は違いますが、近年はマーケティングと営業の連携が非常に重要視されています。この章では、マーケティングと営業の連携で得られるメリットや具体的な方法を解説します。

マーケティング部門と営業部門が連携するメリット

マーケティング部門と営業部門が連携すると、より効率的に収益を獲得できます。

たとえば営業部門が得られた顧客のニーズや要望をマーケティング部門に伝えれば、より優れたプロモーションの方法や商品コンセプト、価格などを考えることができます。その結果、より顧客のニーズに適した商品やサービスを生み出せるため、結果的に営業の成果も良くなります。

また、マーケティングと営業が連携することで、お互いの部門が仕事に費やす労力削減にもつながります。

たとえばマーケティング部門は、営業部門から直接顧客のニーズや悩みを得ることで、市場調査に費やす労力を削減できます。一方でマーケティング部門が見込み客の購買意欲を高めてくれれば、営業部門は顧客に商品やサービスを購入してもらいやすくなり、何回も足を運ぶ必要がなくなります。

マーケティングと営業が連携する方法

以上のように、マーケティングと営業の連携は大きなメリットを生み出します。では一体、マーケティング部門と営業部門はどのような方法で連携を図ることができるのでしょうか?

まず一つ目の方法は、組織文化の改善です。お互いの部門の交流機会を増やしたり、互いの部門の価値を尊重し合う文化を醸成することで、マーケティングと営業の連携を図りやすくなります。一見すると当たり前のことですが、意外とできていないケースもあるので一度確認してみましょう。

二つ目の方法は、部門を横断したプロジェクトチームの構築です。とくに重視する商品やサービスについては、マーケティング部門と営業部門それぞれから人員を招集し、一つのプロジェクトチームとして取り組んでみるのも一つの手です。一つのチームとして商品やサービスの販売に取り組むことで、お互いの良い側面を最大限発揮することが可能です。

そして三つ目の方法は、マーケティングオートメーションやCRMの活用です。マーケティングオートメーションやCRMは、見込み客の獲得や既存顧客の関係構築に役立つツールです。こうしたITツールを使えば、リアルタイムで営業とマーケティング部門が情報を共有できるため、連携を図りやすくなります。

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