2023-02-28

売上成果を左右する5つのポイントと4つの注意点

BtoB 営業・マーケティング コラム

なかなか成果が上がらないマーケティングやセールスには、必ず弱点やボトルネックがあります。ネックとなっているポイントをおさえない施策は、手間やコストがかかるだけで成果に結びつきません。

売上の拡大をはばむ要因には、商談数が上がらない、商談にこぎつけても成約まで至らない、成約しても価格競争で利益が圧迫されるなど、さまざまあります。これらの要因はそれぞれ別のテーマのようですが、自社製品と顧客に対する理解の深さが関わる問題だという点で共通しています。

この記事では、BtoBのマーケティング、セールスにおいて成果を左右する5つのポイントと注意すべき4つのボトルネックについて解説します。

BtoBの売上成果を左右する5つのポイント

まず売上成果を左右する下記の5つのポイントについて解説します。

  1. 自社製品によって課題を解決できるターゲットの選定
  2. マーケティング、インサイドセールス、フィールド営業の連携
  3. 顧客データと営業プロセスのデジタル化による一元管理
  4. 新人の早期戦力化のための組織的な教育と支援
  5. 適切なタイミングで情報を提供する見込み客の育成

1.自社製品によって課題を解決できるターゲットの選定

BtoBの売上成果を拡大するには、見積競争・価格競争という利益を圧迫するスパイラルから抜け出すことが必要です。そのためには「結局最後は競合との価格競争だ」というビジネススタイルを変えていく視点が求められます。

その視点とは、他社にはない自社の強みを必要としている顧客をいかに発掘するかということです。マーケティングと営業がすべての施策の根底にこの視点を据えておくことが、売上成果を拡大するためのベースになります。

ターゲティングの精度を高めて、自社の製品、サービスがソリューションとなる課題を抱えている企業に狙いを定めることに注力しましょう。具体的には、自社の優良顧客をモデルとして、ターゲットになり得る顧客の業務プロセスに対する理解を深めるのが有効です。

業務プロセスを改善するために何が有効か、顧客自身が気づいていないボトルネックはどこに生じがちなのかを把握すれば、ターゲティングの精度が高まります。

2.マーケティング、インサイドセールス、フィールド営業の連携

見込み客の発掘・育成から商談・成約までに時間がかかるBtoB営業は、やり手の営業パーソンの個人プレイではなく、組織化されたチームプレイが求められます。

2019年に話題になった書籍「ザ・モデル」は、BtoB営業をマーケティング、インサイドセールス、営業、カスタマーサクセスという4部門で分業し、かつ共業することで売上成果を拡大しようと提唱しています。

この本で著者(福田康隆氏)は「人間はグループに分けられたとたん敵対しやすい生き物である」と述べています。たしかに、インサイドセールスはマーケティングから渡されたターゲットリストに不満を言い、営業はインサイドセールスからトスされた案件に不信を抱くのは見慣れた光景です。

このような不満や不信、敵対から「共業」にシフトするには、案件をトスするのとは反対の流れで情報のフィードバックをするのが有効だと、福田氏は述べています。

営業はインサイドセールスに対して、実際に訪問した時の内容をフィードバックし、インサイドセールスの商談作成時のコメントと乖離があればフィードバックする。インサイドセールスは実際にリードと会話して、顧客がコンテンツやイベントに対してどのような感想を持っているか、どのようなキャンペーンを実施すると効果的かなどをフィードバックする。こうした双方向の流れが実現した時に、売上向上という共通目標に対して共同作業をする感覚が芽生えてくるだろう。

引用元:「ザ・モデル」翔泳社 67~68ページ

3.顧客データと営業プロセスのデジタル化による一元管理

口を開けばデータがどうのツールがどうのという話になることに抵抗を感じる人もいるでしょうしょう。しかし現代のBtoB営業では、複雑な営業プロセスを可視化できるデジタル化された情報を利用しないという選択肢はありません。

DXという言葉を持ち出すまでもなく、デジタル情報の活用に遅れを取った企業は、売上成果の拡大化においても遅れを取ることになります。

社内の各所に名刺などの顧客情報や、資料請求などのリード情報が散在していたのでは、組織的、効率的な営業活動はできません。情報の一元管理が必要です。そのためには情報のデジタル化としかるべきツールによる管理が必須です。

4.新人の早期戦力化のための組織的な教育と支援

マーケティングの知識やデジタルスキルを持っているマーケティング部と商談経験の豊富な営業部の間にはさまれて、自信がなさそうな顔をしているのがインサイドセールス、という印象はないでしょか?

それも無理はありません。インサイドセールスは営業部門の新人のファーストキャリアになるのが通例だからです。

しかし、インサイドセールスがボトルネックになってターゲットリストの案件化が滞っては、売上を拡大できません。新人に早く力をつけてもらってオンボーディング(戦力化)させることが急務です。

オンボーディングを早めるために必要なのは、激励やハッパではなくて組織的な教育・トレーニングと、足りないところには下駄をはかせる支援です。

直属の上司や先輩社員によるOJTに新人教育を任せるのではなく、新人育成全体をマネジメントして、他部署との連携や折衝にもあたる育成者を任命する必要があります。

また、新人の日々の業務のガイダンスとなるセールスプレイブック(業務虎の巻)やトークスクリプト、成功事例集、FQAなど「仕事の補助輪」となるコンテンツを与えるのも大切です。背伸びしても届かないようなら下駄をはかせるというスタンスで、早く一人前にしてあげましょう。

5.適切なタイミングで情報を提供する見込み客の育成

フィールド営業にトスする前に、マーケティングとインサイドセールスで適切なリードナーチャリングがなされていないと、フィールド営業が非効率になり成約率が上がりません。リードのスコアリングとスコアに応じたコンテンツを用意して情報提供していくことが重要です。

ナーチャリングに有効なコンテンツを作成するために、ポイント1で述べた「ターゲットになり得る顧客の業務プロセスに対する理解を深める」のが大切です。他社にはない自社製品の価値に気づいてもらうには、顧客の仕事の流れやボトルネックになりやすいプロセスを理解していなければならないからです。

もちろん、まだ相手の顔が見えていない段階では具体的なことは分かりません。しかし既存客の業務の流れや成功事例を研究して、アプローチに対する見込み客の反応と考え合わせることで、相手が抱えている課題や欲しい情報を察知するのは可能です。

オンライン施策では難しい役職層にアプローチ!|ターゲットリスト総合ページ

売上の成果拡大を妨げるボトルネックはどこに生じやすいのか

営業プロセスのどこに弱点があるかを見定めて改善することで成果が上がるようになります。ここでは特に注意したい4点について説明します。

ⅰ.ターゲット選定において市場の変化を見逃す

攻めるべき相手を間違えるとすべての努力とコストが無駄になります。既存の顧客の業態や規模、業務プロセスを参考に自社がソリューションを提供できるターゲットを絞り込むのは有効ですが、時代は変わり市場の動きも加速しています。

過去の成功パターンや成果のあったフィールドにこだわっていると、新しい鉱脈の出現を見逃すことがあります。例えばこれまでは外国語の書類の翻訳には縁のなかった地方都市の町工場でも、グローバルな市場で活躍する企業が増えています。自動翻訳ツールやサービスのターゲットになったのです。

市場の変化にも注意しながら、自社製品が提供できるソリューションを求めているターゲットを絞り込みましょう。

ⅱ.インサイドセールスの役割を十分理解していない

マーケティングとフィールド営業の間にインサイドセールスを置く営業スタイルが日本で認知されだしたのは、2005年ころです。非接触を余儀なくされたコロナ禍で導入を決めた企業も多いようです。

いずれにしてもインサイドセールスの歴史は浅く、経営層やマネジメント層にもその役割が十分理解されていないケースが少なくありません。「とにかくやってみよう」の鶴の一声でスタートした企業もあるでしょう。

インサイドセールスの仕事は「一度おうかがいしてご提案したい」というアポを取ることではなく、しかるべき情報を提供しなが見込み客をナーチャリングする(育てる)ことです。

ナーチャリングにはナーチャリングプロセスの設計とプロセスに応じたトークスクリプトが必要です。新人を投入するなら、自社製品の特徴や強みやターゲットとなる顧客の業務や課題について理解させるマニュアル(虎の巻)も必要です。

これらの資材を用意するには、企業はかなりのリソースを投入して本気で取り組まなければなりません。チームのメンバーを適切に評価し、モチベーションを上げるKPIの設定も必須です。

インサイドセールスの導入によって売上成果を拡大するには、その役割を十分に理解して必要な体制と資材を整えるのが肝要です。

ⅲ.見込み客を育成するための適切なコンテンツがない

リードを獲得するマーケティングにおいても、それを育成するインサイドセールスにおいても、製品の価値を顧客にアピールするコンテンツが武器になります。フィールド営業でも、分かりやすい資料が商談を進めるのに役立ちます。例えば、顧客の担当者が稟議の席で説明しやすくなるなどの効果があるのです。

このように良いコンテンツは営業プロセスを前進させるエンジンの燃料となるものです。あるいは、見込み客に対して撃つ実弾とも言えます。営業部隊をガス欠の車に乗せたり、弾薬不足のまま突入させたりすることのないように、コンテンツを充実させなければなりません。

ⅳ.マーケティング、インサイドセールス、営業の連携が悪い

先述したように、分業すると敵対しがちなのが人間です。マーケティングと営業では人の肌合いや話している言葉までまるで違うことも珍しくありません。敵対とまではいかなくても、壁が作られて話が通じなくなりがちなのです。

「ザ・モデル」の福田氏は、後工程から情報をフィードバックすることてで「話をさせよう」と勧めるとともに、協力せざるを得ない共通の目標を作れとも言っています。

共通の目標とはもちろん「売上の拡大」ですが、それぞれの部署のKPIがむしろこの共通目標を見失わせる原因になっていることがあるので注意が必要です。マーケティングがリードの獲得数だけを目標にし、インサイドセールスは案件のトスアップ数だけを目標にするのでは、やがて相互に不満や不信が生じます。数だけではなく、その内容と質についてお互いに話ができ、合意されていなければなりません。

まとめ

売上の拡大に向けて各部署の全員が力をつくしていても、そのどこかにボトルネックがあると全体の流れが停滞してしまいます。

狙うターゲットを間違っていないか、新人に射撃訓練をしているか、撃つための実弾を提供しているかなどのポイントで施策を見直して、ボトルネックを貫通し売上成果の拡大を目指しましょう。

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