2022-11-28

郵送DMとインサイドセールス(電話営業)の連携でターゲットを案件化しよう

BtoB 営業・マーケティング コラム

コロナ禍でインサイドセールスが注目されていますが、インサイドセールスはデジタルマーケティングと連携するのみで良いというわけではありません。郵送DMとインサイドセールス(電話営業)の連携もBtoBでは有力なマーケティング施策です。

DM発送後に電話セールスをするアナログ×アナログの手法は、デジタルマーケティングだけでは期待できない、高い案件化率を実現することが可能です。

この記事では、DMと電話営業を連動させるメリットとその方法について解説します。ぜひ参考にしてください。

DM送付後にインサイドセールスを行うメリット

DMを送ってから電話をかけることで、いきなりかかってくるセールス電話の印象を緩和できます。また、トークのための資料がすでに相手に届いているメリットがあります。

突然のセールス電話の印象を与えない

電話営業の最初で最大のハードルは、仕事中に突然かかってくる知らない相手からの電話の迷惑感、お邪魔感です。しかし、DM発送後の電話なら「ああ、DMが来ていましたね」という反応で、すでに「見ず知らず感」の垣根は取り払われています。

自己紹介の「突然のお電話で失礼いたします。私は〇〇を販売している株式会社△△の----」というトークも、簡単明瞭に済ますことが可能です。

以前コンタクトのあった宛先なら、自社を思い出してくれる

DMの送り先が、かつて営業が名刺を交わした相手だったり、セミナーに来てくれた人だったりした場合は、DMが自社を思い出すきっかけになります。

「ご無沙汰しております」や「その節はありがとうございました」という挨拶ができれば、トークの運びがグンとスムーズになります。

トークのための資料が届いている

BtoBの商材は、複雑な機能をもっているものが多く、電話だけの説明ではなかなか理解してもらえません。しかし、先にDMが届いれば「資料を見ながらのトーク」が可能で、格段に分かりやすくなります。

DMの内容(製品)が「相手企業が抱える課題」に関係があるほど興味を持ってもらえ、製品への理解も早く、深くなります。

DM送付後の電話営業のポイント

DMを送った後の電話営業で大切なのは、送り先を分類した架電リストの作成とそれに合うトークスクリプトの作成です。

架電リストを「宛名の入手経路」で分類する

電話営業の成功の3本柱は「ターゲティングされた架電リスト」「トークスクリプト」「トーク力」と言われています。

DM送付後の電話営業では、ターゲティングは発送先企業の選定の際に済んでいるので、架電リストはすでにできています。しかし、そのリストの個々の宛先を「どんな経路で入手したか」によって分類する必要があります。それによって、ファーストトークもトークの運びも違ってくるからです。

宛名の入手経路には次のようなものがあります。

  1. 名刺
  2. 過去に自社サイトへの問い合わせ・資料請求があった宛名
  3. 購入したターゲットリスト
  4. サイト訪問歴から逆引きして得た宛名

名刺も営業が対面で交換したものと、展示会のブースで集めたものは区別する必要があります。

DMの送り先のターゲティングについては、下記の記事を参考にしてください。

「BtoBのダイレクトメール制作は自社製品のポジショニングから発想しよう」

電話をかけるタイミングと優先順位を考える

DMは一斉に発送できますが、電話は1件1件です。発送数と架電する人員数によって数日あるいはそれ以上の日数を要します。すべてに電話するのではなく、商談化の確度が高いと思われるものに絞る場合もあるでしょう。

架電のスタートは、発送日の3日くらい後、DM到着後の1~2日後が目安です。日本ダイレクトメール協会の2018年の調査では、DMの約8割が開封されるので、発送後3日~5日くらいなら、ほとんどの人が開封して、かつまだDMの印象が薄れていないタイミングです。

電話をかける順序は、上記の分類に基づいて優先順位を決めましょう。どのリストが優先になるかは一概には言えませんが、DMの内容や営業戦略に基づいて判断します。

電話をかける時間帯などは下記の記事が参考になります。

営業電話の時間帯は何時から何時まで? 法律で定められている?

トークスクリプトを作成しておく

電話営業では、トークの流れを想定したトークスクリプト(台本)が必須です。とくにDM送付後の営業電話では、スクリプトを用意しておくことで、対象商品(サービス)のアピールポイント、導入メリットを簡潔・明瞭に伝えることができます。

また、しっかりしたスクリプトがあることによって、新人とベテランのトーク技術の差を縮めることが可能です。「トーク力」は一朝一夕には身につきませんが、スクリプトが新人の良きガイドになります。

BtoCのセールス電話は「ガチャ切り」が当たり前の、非常にストレスフルな業務ですが、それに比べるとBtoBは相手もビジネス対応をしてくれます。ターゲット選定が的確で、良いトークスクリプトがあれば、新人でも商談化に成功する可能性は低くありません。

トークスクリプトは修正しながら、修正を共有ながら磨きをかける

実際に電話をして顧客の反応に接してみると、用意したスクリプトの各所に「こう修正した方がよい」という点が見えてくるはずです。そんなときは、最初のスクリプトにこだわらずに修正していきましょう。

修正点は時間の許す限りメンバーで共有することが大切で、チームのリーダはとくにこの点を留意すべきです。

オンライン施策では難しい役職層にアプローチ!|ターゲットリスト総合ページ

「DMをご覧いただけましたか?」の質問はNG

DM送付後の電話でつい言いがちなのが「お送りしたDMをご覧いただけましたか?」という台詞ですが、なんとなく相手にプレッシャーをかける言い方なので、反発をまねくおそれがあります。

また「見ていません」と言われたときに、次のトークが難しくなります。先方から「ああ、DMが届いていましたね」と言わせるのが、トークをスムーズに進めるコツです。

名刺と既存客へのコールはフィールド営業の担当者と打ち合わせる

営業部から回ってきた名刺から得た宛先へのコールや、新製品の案内DMでの既存客へのコールは、単に宛名の1つと考えてコールすると、営業の担当者とトラブルになることがあります。「ここへは私が電話する」という場合があるからです。

トークの核心は送付先の事業課題とソリューション

DM送付後の営業電話には、資料が先方に届いているという大きなアドバンテージ(有利な点)があります。トークでもっとも難しく、工夫が必要な次の3点の説明が「顧客の目の前にあるDM」によって非常に楽になっているからです。

  1. なぜ電話をかけているのか
  2. どんな商品なのか
  3. 御社のどんなお役に立てるのか

1つ目はほとんど説明不要で、2つ目と3つ目はDMの出来が良いほど説明が楽になります。電話営業を担当する人は、DMのアピールポイントをよく把握して、相手企業のニーズ(課題)に答えるトークが何よりも肝心です。

トークでは送り先の事業課題についての相手が話をし始めたら、ほとんど成功と言っても過言ではありません。残るのはフィールド営業への引き渡しだけです。

良いDMの条件については、次の記事が参考になります。

「BtoBのDMでレスポンス率が高いコンテンツが備えている8つの要件」

トーク内容の記録と評価(今後のフォロー)

BtoBでは電話営業だけでクロージング(成約)に至ることはほとんどありません。訪問営業のアポイントが取れれば100点満点です。

しかし、求められている結果は100点か0点かではありません。DMの送り先の企業担当者とトークしたことで、相手企業が「見込み客のどの段階に入ったか」を記録し、今後のフォローにつなげる必要があります。

具体的には、まず誰(個人名)と何を話して、どのような反応だったかを記録します。反応には、たとえば次のようなものがあります。

  • 詳しい話を聞きたいので、一度来社していただきたい。
  • 上司に相談してみるので、来週でももう一度お電話してください。
  • 確かに良い製品(サービス)だと思うが、いますぐ切り替えるのは難しい。
  • もう少し詳しい資料があれば送ってほしい。
  • 別の〇〇の機能がある商品はないのか。

このような反応を架電チーム(インサイドセールス)のリーダーおよびフィールド営業と共有して、次のアクションを決めることになります。

まとめ

DMの後追い電話営業には、

  • 突然のセールス電話の印象を与えない
  • 以前コンタクトのあった宛先なら、自社を思い出してくれる
  • トークのための資料が届いている
  • というメリットがあり、DMの送りっぱなしよりも高い成果が期待できます。

DM送付後の電話営業のポイントは、次の3つです。

  1. 架電リストを「宛名の入手経路」で分類する
  2. 電話をかけるタイミングと優先順位を考える
  3. トークスクリプトを作成しておく

とくに重要なのがトークスクリプトで、対象商品(サービス)のアピールポイント、導入メリットを簡潔・明瞭に伝えるスクリプトが求められます。

電話をかけた後は、誰と何を話して、その反応はどうだったかを記録し、フィールド営業と共有して今後のフォローに繋げます。

このようなDMの営業電話の組み合わせは、デジタルマーケティングだけでは得られない高い営業成果が期待できます。

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