2020-12-08

アカウントセールスとは? 中長期的な関係性を築く営業施策について解説

BtoB 営業・マーケティング コラム

アカウントセールスという言葉を聞いたことがありますでしょうか。市場の成熟化に伴い、従来の商品売り切り型の営業スタイルから顧客の課題解決を図っていくスタイルの営業に主流がうつっています。その中で、顧客との関係を深めながら提案するという新たな営業スタイル、アカウントセールスが注目されています。本稿では、アカウントセールスとはなにか、アカウントセールスのポイントなどをご紹介します。是非参考にしてください。

アカウントセールスとは?

アカウントセールスとは、顧客を選択し、その顧客と深い関係性を築くことでソリューションを提案する営業手法です。従来の営業スタイルは、ルート営業ともに呼ばれていました。ルート営業は顧客を決めるのではなく、例えば指定されたエリア内でなるべく多くの顧客との関係性を持つことで利益を築いていくものでした。そのため、顧客との関係性はあまり深くなく、それぞれの企業ごとの売上も高くなく、「量」を重視していました。一方アカウントセールスの特徴は下記3つです。

  • 顧客と深い関係性を築く
  • 顧客の課題解決にフォーカス
  • 顧客ごとの売上単価が高い

アカウントセールスでは、量より質を重視します。多くの企業との関係性を持つのではなく、担当する企業を選びその企業との深い関係性を築くことを目指します。そのためにも企業がどのような課題を抱えているのかなどのリサーチを行ない、ソリューションを提供します。深いリサーチが必要なため、ルート営業などと比べても時間がかかりますが、その分新しいサービスが出てきても簡単に移行することが少なかったり、一社あたりの契約金額も高く受注することが可能です。また、企業は表面的な課題ではなく、本当のビジネスの課題を解決してくれるため信頼を築けるため、顧客と長期的な関係性が築けます。その結果、ビジネスの安定性にもつながります。

アカウントセールスのプロセスとは?

実際にアカウントセールスをどのように進めるのか、プロセスをご紹介します。アカウントセールスのプロセスは大きく7つのプロセスに分かれます。

  1. ターゲティング
  2. 事業課題仮説
  3. リレーション深化
  4. 戦略立案
  5. ソリューション提案
  6. 関係性の拡大

1.ターゲティング

最初のステップはターゲティングです。顧客となる企業を絞り込むために情報収集を行います。企業の売上余地やリピート率など投資対効果がいい企業を選ぶようにしましょう。ターゲティングでどのような企業を狙うのかを絞り込んだら、企業とどのような関係性を築くのかの全体目標となるアカウントビジョンを想定しましょう。ターゲティングとともにアカウントビジョンをしっかり行なっておくことでプロジェクトを進めていく中でトラブルがあった時の指針になります。

2.事業課題仮説

ターゲティングが済んだら、顧客となる企業と接触する前に企業がどのような事業課題を抱えているのか仮説を立てます。IR情報やニュースなどから情報を集め、企業のあるべき姿や現状の課題を検討しましょう。ここで検討するのはあくまでも仮説であり、後ほど顧客との対話の中で検証することになります。

3.リレーション強化

仮説を検討できたら、実際に顧客との関係性を築きながらヒアリングを行い仮説の検証を行います。ここで重要なのはヒアリングです。ヒアリングのポイントは、BANTです。BANTとは、Budget(予算)、Authority(決済者)、Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)の頭文字からきており、BtoB営業を行う上でも重要なポイントです。BANT条件をしっかりヒアリングできないとよい提案ができないため、しっかりヒアリングすることを意識しましょう。

4.戦略立案

ヒアリングなどで得た情報を元に自社のサービスや商品でどのように課題が解決できるのか、どのようにクライアントのビジネスに活用できるのかなどの戦略を検討します。この時に自社の利益ではなく、クライアントのビジネス向上や課題解決を元に検討することが重要です。

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5.ソリューション提案

戦略を元に実際にクライアントにソリューションを提案します。この際のポイントは2点です。1点目は、自社の紹介ではなく、どのように顧客の課題を解決するのかを中心に提案することです。よくある失敗が自社のサービスの紹介に徹してしまい、クライアントが結局どのように活用できるのかがイメージつかなく提案が通らないということがあります。このようなことを避けるためにも顧客視点の提案を作ることが重要です。2点目は決済者をイメージすることです。BtoB商材の場合、担当者一人ではなく部門責任者等様々なレイヤーの承認が必要です。そのため、しっかり部門責任者との関係性を築いておき、提案をする際も誰に提案するのか、その提案する相手の関心事項は何かなどを確認しておきましょう。

6.関係性の拡大

ソリューションを提案し、サービスを導入したら、導入しながらPDCAを回しながらレビューを行いましょう。サービスを導入したらしっぱなしではなく、常に改善を回しておくことでサービスの継続につながったり、同様の課題を持った他部署や他拠点に紹介してもらうことにつながります。このように単発ではなく、中長期的なビジネスを意識することもアカウントセールスにおいて重要です。

アカウントセールスのポイント

最後にアカウントセールスのポイントをご紹介します。

仮説構築力

1点目は、仮説構築力です。自社のサービスが導入できそうな領域だけであったり、顧客から聞いた話をそのまま受け入れるだけでは、本当の課題を解決したり、顧客との深い関係性を築くことができません。そのために重要なのは、顧客のヒアリングや調査等様々な視点から企業の経営課題や事業課題の仮説を構築できることです。常に現状に疑問をもちながら課題を検討するようにしましょう。

コミュニケーション力

2点目はコミュニケーション力です。顧客がどのような課題があるのかを抽出するためには、顧客自身が気づいていない情報を聞き出す必要があります。そのためにも重要なのがヒアリングなどコミュニケーション力です。

また、誰にヒアリングをするのかも重要です。上述したようにBtoB商材の場合、決済者が複数のレイヤーに渡る可能性があります。そのため、しっかり決済者との関係性を築くようにしましょう。しかし、部門責任者などマネージメント層との関係性を築くのが難しいという現状もあります。そこで活用できるのが企業リストです。企業リストでは、部門責任者の名前や企業の住所などの情報を取得できるため郵便DMなどでコミュニケーションを取ることができます。このようにリアルのコミュニケーションだけでなく、関係性を築くことも意識しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。アカウントセールスはルート営業に比べると時間がかかったり、手間がかかるという難点がありますが、顧客の売上単価が上がったり、中長期的なビジネスにつながるなどメリットがあります。そのために重要なのは、顧客のことを理解し、顧客との関係性を築いた上で、顧客のための提案を行うことが重要です。まずは狙っているクライアントの状況を把握することからはじめてはいかがでしょうか。

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